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槻の木心療内科
大槻 不二比古

第10回

第109回日本精神神経学会学術総会からの報告心療内科

5月23日のトピックフォーラム5の「生活習慣病としてのうつ病」に出席してきました。
日常の診療の中では、長期にわたり身体的、精神的ストレスにさらされた結果強いうつ症状を来してしまい、受診となったケースを多く経験しています。例えば職場で長期間上司からの直接、また時間を選ばない電話・メールでの罵声からPTSD様の症状も来してしまった人、帰宅が零時を過ぎ食事もとらず数時間の睡眠で出勤することを何ヶ月も続けなければならなかった人など、その結果抑うつからくる様々な症状、気分の沈み・意欲の低下、強い不安、不眠などとともに、以前の人格からは考えられないような状態となってしまった人などです。
その経験から、患者さん本人の生活習慣から来るもの、つまりその本人の責任から来したものである様なニュアンスに違和感を感じ出てみたものです。つまり抑うつ症状が本人の生活習慣から来た病気の状態とは考えられない症例が多くあるからです。

今回の発表によると、生活習慣病としてのうつ病という見方の出てきた背景は、休養と薬物療法でもすっきりとは回復せず、長期の療養でも社会への復帰が困難となるケースの多いところから、うつ病を他の一般の生活習慣病をモデルとして理解し、予防・治療するアプローチとして出てきたとのことでした。

これまでに運動療法・栄養療法・休養・嗜好品・睡眠など他の生活習慣病でいろいろと検討されてきた要因について、うつとの関連が研究されてきています。が今までに発表された多数の論文などに当たってみると今のところ、ある程度有効と思われるものはあっても確実に発症予防になると言えるか、発症・再発のリスクはあるのか、そのリスクを下げるのかはまだはっきりとはしないようです。

しかし中には生活習慣から種々の病気・障害の発症や悪化の要因となっていることの実感される場合もあり、患者さん自らの主体的な治療参加を促すことが必要であるとのことでした。それと伴に、上記の様な、患者さんの側ではどうにもできない環境もあり、患者さんの自己責任論を慎重に避けることが必要とのことでした。

またこのフォーラムの他の発表では、中等度以上(うつの重症度のスケールHAMD24以上)のうつ状態ではない、軽症うつでは抗うつ剤の効果は乏しく、重症度を的確に把握し、一部のうつには生活習慣の指導や、生活場面でのまた職場環境の調整が必要との発表もなされていました。
運動療法に関する発表では、多数の論文を分析すると少しは効果はあり、有酸素運動での改善はあるようです。運動のみではうつは再燃しやすいとのことであり、また寝る直前の運動は不眠の改善には結びつかないようでした。

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整形外科ふくしまクリニック
整形外科ふくしま
クリニック

福島 久德

第9回

痛みの治療について整形外科

最近痛みの治療の方法が変わってきていることをご存知ですか?

従来は痛み止めの飲み薬(消炎鎮痛薬)やシップなどの外用薬、低周波などの物理療法、時には痛み止めの注射などのいわゆる保存的治療をしばらく行い、症状が改善しなければ手術的治療を選ばざるを得ないことが多かったと思います。しかしながら、この保存的治療と手術的治療の間にはかなりギャップがあり、患者さんも我々医師もとまどいを覚えることがしばしばでした。
そのギャップを埋めるべく漢方薬やさらに高度な注射療法(いわゆるブロック注射)などを駆使してきたわけですが、最近新たな薬剤が使えるようになり治療の選択肢が増えてきました。消炎鎮痛薬が効きにくい神経痛に効果のある薬(リリカ)や、慢性的な痛みに効果のある軽い麻薬系の鎮痛薬(トラムセット錠・ノルスパンテープ・デュロテップパッチ)がそれです。
もちろんこれらの新しい薬剤もすべての患者さんに効果があるわけではなく、また眠気やふらつき、吐き気や便秘などの副作用がみられる場合もあります。新聞などのマスコミで取り上げられることもあり、これらの薬剤に過剰な期待をして来院される方もみられますが、医師とよく相談し、これらの薬剤の特性を十分に理解して使用することが大切です。

また、最近運動療法が痛みの治療に有効であることが改めて見直されてきています。痛いから動かさないのではなく、少しずつでも体を動かしていくことが痛みから解放される近道となります。
“病は気から”とよく言われますが、特に慢性的な痛みにはこの〝気″が関わっている場合が非常に多くみられます。御自分の症状をこまごまと考えるのではなく、気分を楽にし、ゆったりと痛みと向かい合うことが大切です。
痛みとケンカしてはいけません。ケンカしても必ず負けてしまいます。「痛みを押さえ込もう」「直してやろう」とリキむのではなく、痛みがあっても「○○ができるようにやってみよう」「△△ができるようになった!」と前向きに考えるようにして、少しでも体を動かしていくことが痛みと上手につきあうコツであり、結局御自分が一番楽になる方法になります。

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たていし小児科
立石 径

第8回

食物アレルギーについて小児科

食物アレルギーをお持ちになる患者さんの数は近年増加傾向です。
治療、対応としても以前の「除去」を中心とした経過観察よりも「食べること」に主眼をおくようになってきております。血液検査は重要な一つの所見ではありますが、高ければ食べられないという訳ではなく、低値であっても原因食物となっていることがあります。
食べられるか、食べられないかは結局のところ「食べてみる」といった形でしか判定できません。そのため「経口食物負荷試験」がある意味、唯一の診断方法と言えます。

また一部施設では「食べて治す」といった積極的な治療も試みられております。
入院の上でごく少量の原因食物を徐々に増量しながら食べていき、短期で食べられるようにしていくものです(急速経口免疫療法)。
まだまだ発展途上の治療ではありますが、重度の食物アレルギーを持つ方にとっては非常に画期的な内容です。

入院ではなく、外来で徐々に摂取量を増やす方法を取り入れている施設もあります。入院ほど急速な寛解(食べられるようになること)は得られませんが、「少し食べてみる」といったある種「あたり前」の治療ではあります。

しかしながら、なかなか寛解しない重度のアレルギーを持つ方も一定数存在します。そういった方のために、最近ではアナフィラキシーショックに対応するための注射薬も保険適応となりました。
食物アレルギーの治療、管理も他の分野同様に日進月歩です。食べることが無理と思っている方でも食べられることが多々あります。一時食べられなくとも定期的に医療機関を受診し、食べられるようになるタイミングを相談してください。

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高雄耳鼻咽喉科クリニック
高雄 真人

第7回

花粉症について耳鼻咽喉科

アレルギー性鼻炎はくしゃみ、鼻水、鼻閉を症状とする疾患で、通年性鼻炎と季節性鼻炎に分かれます。
花粉症は季節性鼻炎のことで、花粉抗原が原因になります。時期によって原因が異なります。春はスギやヒノキが原因になり、初夏はカモガヤなどのイネ科が原因になります。秋はキク科のブタクサが原因になります。
原因の中でもスギ花粉症の有病率は高く、国民の4分の1以上がスギ花粉症だと考えられています。今回はスギ花粉症の話をしたいと思います。

1. 診断
花粉症の場合は、その花粉飛散時期に症状が出れば大体判断できます。特に天気の良い日に外出すると鼻炎の症状がひどくなったり、目の痒みなどの眼症状があれば花粉症でほぼ間違いないと思います。
耳鼻科では鼻の粘膜の状態を診ることでアレルギー性鼻炎かどうか判断しますが、診断をつけるには検査が必要になります。検査には鼻汁中の好酸球を調べたり、誘発テストを行ったりします。また詳しい原因については皮膚テストや血清特異的IgE抗体定量検査を行います。検査を希望される方は、近くの耳鼻科を受診するとよいとおもいます。
2. 治療
治療には薬の内服治療、レーザー治療、免疫療法などがあります。
内服治療は抗ヒスタミン剤の内服になりますが、眠気の副作用がでることが問題になります。副作用の出方も人によって異なるのですが、眠気の出る可能性がある人は、処方の際にそのことを担当医に伝える必要があります。最近は初期療法という花粉が本格飛散する2週間ぐらい前から抗ヒスタミン剤の内服を始めるのが推奨されています。眼のかゆみがある場合は、点眼薬も併用された方が良いと思います。
レーザー治療は鼻の粘膜をレーザーで焼くことでアレルギー反応が起こりにくくします。レーザー治療は花粉シーズンの1か月前に終えておく必要があります。
免疫療法は原因のアレルゲンの注射を繰り返しおこない、体に慣らす治療です。治療に時間と手間がかかることが問題になります。最近は皮下注射にかわり舌下投与による治療法が治験としておこなわれており、将来的には一般的な治療になる可能性があります。
3. おわりに
2013年春の花粉飛散量の予測は、西日本の一部をのぞいて10年平均値以上と考えられています。花粉症対策として外出時にマスクやゴーグルを付けたり、体についた花粉を家の中に持ち込まないことが大切です。
また毎日の花粉情報のチェックを行う必要があります。初期療法をご希望の方は、花粉の飛散するまえに耳鼻科を受診することをお勧めします。

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山口内科医院 山口浩三
山口内科医院
山口 浩三

第6回

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)に関して内科

日本人の四大死因は悪性新生物(癌)、心疾患、脳血管疾患、肺炎と言われています。現在、心疾患は悪性新生物についで多く、第二番目の死因となっています。心疾患には、心臓を栄養する血液が不足する虚血性心疾患、心臓の働きが低下する心不全、心臓の拍動のリズムに異常をきたす不整脈などがありますが、今回は虚血性心疾患に関してご説明します。

虚血性心疾患とは、狭心症、心筋梗塞を指す言葉です。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをする臓器ですので、心臓の中は血液で満ちています。心臓も他の臓器と同じく、心臓自身のための酸素や栄養の補給のために血液を必要としますが、心臓の中の血液を心臓が使うことはできず、心臓の周りを取り巻いている冠動脈という直径3mm程度の細い血管のみが心臓の役に立つ血液を供給しています。
狭心症、心筋梗塞ともに冠動脈の血流が足らなくなって、胸が痛んだり、心臓の動きが低下したりする疾患であるため虚血性心疾患と言います。一時的に冠動脈の血液が足らなくなるものを狭心症、冠動脈の血液が止まって回復をしないものを心筋梗塞といいます。心筋梗塞は心臓の機能が永続的に低下し、重篤な後遺症が残ることが多いため緊急に治療が必要です。

次に、虚血性心疾患に関しての原因、症状、検査、治療、日常生活での注意点などに関して簡単にご説明します。

1. 原因
上に記しましたように冠動脈の血流低下によっておこります。
血流低下の原因として最も多いものは、動脈硬化により徐々に冠動脈の内腔が狭くなってくるものです。しかし、それ以外にも突然冠動脈が痙攣して狭くなるタイプや、冠動脈の中の血液が固まって詰まってしまうタイプもあります。
2. 症状
典型的な症状は胸痛です。最も典型的な胸痛は左前胸部痛ですが、それ以外に胸部正中の痛み、背中の痛みや肩の痛みなどの場合もあり、なかにはあまり痛みのないタイプもあるため注意が必要です。
痛みの性状は体の中の方からくる圧迫感を伴う痛みとよく表現されます。その他に、息が苦しい症状や不整脈の症状がある場合もあります。
狭心症の場合は症状は一時的で、安静により5分から10分程度で治まる場合がほとんどです。特に動脈硬化により徐々に冠動脈の内腔が狭くなってきたものは労作性狭心症といい、運動によって胸が痛み安静によって治るという典型的な症状を示します。
心筋梗塞の場合は、一般的に痛みも強く安静にしても痛みが持続します。
3. 検査
心電図が基本となります。ただし、典型的な変化が出ない場合も多く心電図のみで判断はできません。
他に、心臓の動きの低下を見る胸部X線写真、心エコー、運動時の発作を見る運動負荷試験、夜間の発作を見るホルター心電図、心臓の筋肉中の血流を見る心筋シンチグラム、冠動脈の狭窄を直接調べる冠動脈CT、心臓カテーテル検査等があります。
4. 治療
冠動脈に狭窄や閉塞がある場合には、心臓カテーテルを使い冠動脈に直径2~4mm程度の細い風船を入れて広げる治療が主流です。さらに広げた血管にステントというメッシュのパイプを入れて再度細くならないようにする治療もよく行われます。外科的に血管をつなぐバイパス手術をする場合もあります。
冠動脈が痙攣して狭くなるタイプや、冠動脈の中の血液が固まって詰まってしまうタイプには薬物による治療が必要です。いずれの場合にも再発予防のため長期にわたって薬を内服する必要があります。
5. 日常生活での注意点
まず発症しないように予防が重要です。以前は西洋に多い疾患でしたが、近年食生活の西洋化に伴い日本でも増加しています。食生活では、油ものや塩分をとり過ぎないようにし、適度な運動を行うようにし、規則正しい生活をすることが重要です。また、高脂血症、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病はいずれも虚血性心疾患を引き起こしますので、きちんと治療を受けることが重要です。
狭心症と心筋梗塞では後遺症の面において大きな違いがありますので、冠動脈が閉塞をする前に早期発見することも重要です。運動に伴い胸部痛がある場合や夜間に胸部痛を繰り返している場合などは、早めに受診しましょう。

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なんりクリニック 南里昌史
なんりクリニック
南里 昌史

第5回

胃食道逆流症(GERD)のはなし内科

胸やけ(胸がやける様な感じ)、苦い水が上がる、ノドの違和感、ゲップ、おなかの張りなどの症状でなやまされている方はおられませんか?これらの症状にあてはまる方は、胃食道逆流症(GERD)という病気の可能性があります。この病気は近年食生活の欧米化や高齢化により患者さんが増えてきています。

胃食道逆流症(GERD)とはどのような病気なのでしょうか。胃食道逆流症(GERD)とは、胃液などの胃内容物がさまざまな理由によって食道に逆流し上記のような症状を起こす病気です。そのなかで食道に炎症のあるものを逆流性食道炎といいます。

この病気になりますと、胸やけや呑酸はわずらわしいですし、食後症状が悪化する人は食事が楽しめなくなったり、前かがみになったり運動で腹圧がかかると症状が悪化する人は、そのような動作が億劫になったり、また夜間に逆流のため症状がでると睡眠の妨げになるなど、生活の質が損なわれてしまいます。

そればかりでなく、もし逆流性食道炎を放置すると、食道の蠕動運動が低下し、逆流した胃液などを胃に押し戻す力が低下し重症化します。また重症化して食道潰瘍をつくると潰瘍の部分がひきつれをおこし食道の通りが悪くなる“狭窄”という状態になり、飲み込んだものがつかえるようになることもあります。さらに、食道炎の治癒過程で“バレット食道”という状態になると、まれですが食道癌ができることもあります。

治療は生活習慣の改善、薬剤、場合によっては手術をおこないます。
生活習慣の改善と書きましたが具体的には、

  1. アルコール、タバコを控える。
  2. 脂っぽいもの、甘いもの、刺激の強いものは控える。
  3. 暴飲暴食は避け、食べたらすぐに横にならない。
  4. 就寝中はお腹から頭にかけて高くする。
  5. 前かがみになる、重いものをちあげる、ベルトや下着で腹部を締め付けるなど腹圧を上昇させることは避ける。
  6. 肥満も内蔵脂肪のため腹圧を上げることになるのでよくありません。肥満の方は、運動・食事療法で体重を落としましょう。
これに胃酸分泌を抑える薬剤で治していきます。
治りが悪いと手術になることもあります。

今回は胃食道逆流症(GERD)、逆流性食道炎についてお話ししました。胸やけや呑酸などの症状があれば、我慢せずに近くの医療機関に受診しましょう。

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田場医院 田場隆介
田場医院
田場 隆介

第4回

生命の伝承といきいきとした経済のために小児科

日本は2005年以降、既に人口減少過程に入っています。
2025年問題を御存知ですか?第1次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となり、現在41兆円の費用がかかっている医療や介護サービスは、 2025年にはその倍の91兆円以上になることが見込まれます。
わが国の社会保障制度は、基本的に人口増加時代に設計され、「働く世代が引退世代を支える」、「賦課方式」となっています。働く人の割合が低下すると、負担を高めるか、サービスの質や量を引き下げるかの選択を迫られる事になります。
労働力人口の低下に対して端的に対応するならば、就業率の引き上げがまず考えられます。特に、日本女性の就業率は先進国の中でも低いほうであり、まだまだ引き上げる余地があります。しかも、能力のある女性が多く見受けられるにもかかわらず、その潜在能力が生かされていません。
しかしながら、女性には出産と育児のハードルが存在し、いったん離職を余儀なくされてきました。就業に際し、実母の力を借りようにも、平均世帯人員は2.38人 (総務省自治行政局「住民基本台帳人口要覧」による)と減少し、核家族が今やマイクロ家族化。家庭にも育児を行う人的資源は少ないのが現状です。
有名な、いわゆるM字カーブのくびれ*を、欧米並みに引き上げるためには、保育の社会化が避けられません。

M字カーブ

三田市は、「子育て先進都市」をめざし、「子育てするならゼッタイ三田」のスローガンの元、他の自治体と比較しても手厚い子育て支援を行っております。
その子育て支援事業の一環として、病児・病後児保育「さんだワラビーズ」(電話:079-565-2727)があります。さんだワラビーズでは、病児保育専任看護師1名、保育士2名、そして医師が常駐。生後6カ月より満10歳の感染症・外傷後・母体育児困難のお子様を、責任と真心をもってケア致します。医師は、入所時の診察と投薬、午後の廻診、必要な時は輸液などの処置も行っております。また、お子様が幼稚園や保育所・小学校で急に発熱され、お母様がお仕事の都合で迎えに行けない場合に、さんだワラビーズでお預かりし、直ちにケアと加療に当たる“ヘルプワラビーズ”制度も御座います。
三田市在住のお母様方、どうぞ安心して「さんだワラビーズ」を上手くご利用下さい。いつでもお電話をいただければ、担当保育士に繋がります。利用当日の電話予約可、キャンセルはお電話をいただければ幸いです。詳しくは田場医院のホームページをご覧ください。

HIB、肺炎球菌ワクチンの全額助成と、それによる接種率の向上により、小児重症細菌感染症は明らかに減少している印象があります。
その一方、学校保健安全法による感染症の出席停止基準が、本年4月より省令改定されました。インフルエンザをはじめ百日咳・おたふくかぜは、感染拡大を防ぐために、従来の基準と比較して、より長い期間、保育所・幼稚園・学校をお休みしなければならなくなりました。
「条件が合えば働いてもいい」そう仰っていただけるお母様方、われわれがサポート致します。お子様の風邪のために社会活動を犠牲にせず、生き生きとした経済のために働きましょう。

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中田内科クリニック 中田淳
中田内科クリニック
中田 淳

第3回

胃に棲みつく悪玉菌 “ヘリコバクターピロリ”内科

胃がんは欧米に比べ日本を含むアジアに罹患者が多く、日本では常に癌での死因の上位にあります。胃がんに罹患して治療をするよりも、胃がんを予防して罹患しないようにすれば治療費もかからず、寿命も延び、精神的な不安もなくなるでしょう。しかし、インフルエンザなどの感染症のように胃がんを予防することができるのでしょうか?

食生活で考えると、主に塩分摂取をひかえることです。また、定期的な予防となると胃カメラや胃X線造影検査をされるのも良いことです。これらは根気も必要ですし、手間もかかりますが効果的といえます。もし、感染症から将来、胃がんを発症させるとすれば感染予防も考えるでしょう。

ある菌が感染していれば、胃がんの発症リスクが高くなり百害あって一利なしであることがわかっていれば、誰もが除菌したいと思われるでしょう。胃がんと密接に関係し、最近では日本人の胃がんの原因とまで言われているヘリコバクターピロリ菌のことです。

ピロリ菌は、胃の中に棲みつく悪玉菌ですが、ピロリ菌が見つかるまで、胃の中は強い酸性なのでその中で増える菌をあまり考えることはありませんでした。1982年にピロリ菌が発見されて以来、その特性が知られるようになり、胃炎の起炎菌、胃・十二指腸潰瘍の原因菌となることがわかってきました。また、胃がんの患者にピロリ菌感染者が多いことから、胃がんとの関連性も研究され現在では、ピロリ菌感染者が将来、胃がんになりえることも考えられています。しかし、ピロリ菌は直接、胃十二指腸潰瘍の原因と言えますが胃がんの直接的な原因とまでは言えないでしょう。保菌していることで長期間、胃粘膜の損傷が続くことに問題があるといえます。

まずは、ピロリ菌に感染しているかどうかを知ることです。保険適応疾患がなければ、自費での検査・治療となりますが、胃がん予防のひとつとしてピロリ菌が感染していれば、是非、悪玉菌の除菌をおすすめいたします。人間ドックや健診などでピロリ菌陽性または感染している可能性があると言われましたら一度、受診いただいてご相談ください。

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伊田眼科クリニック 伊田宣史
伊田眼科クリニック
伊田 宣史

第2回

加齢黄斑変性の疫学と予防
― 健康な目を守るためのサプリメント摂取 ―眼科

加齢黄斑変性とは、ものを見るときの視界の中心視野となる網膜の黄斑が加齢により傷み、「ものがゆがんで見える」「ものの真ん中が暗く見える」等の症状が出て、徐々に視力が低下し、ものが識別できなくなる病気です。完全に視力を失う失明とは違いますが、生活のクオリティに深刻な影響を与えることには変わりありません。

< 加齢黄斑変性の見え方 >
加齢黄斑変性の見え方

現在、わが国では50歳以上の約80人に1人が加齢黄斑変性に罹患していますが(約70万人)、発病する前段階の加齢黄斑をもつ母集団は、その数倍、すなわち推定500万人に達すると考えられています。

< 加齢黄斑の眼底 >
加齢黄斑の眼底

< 加齢黄斑変性の眼底 >
加齢黄斑変性の眼底

この病気は高齢になるほど増加する傾向があり、今後、超高齢化社会を迎えるわが国では加齢黄斑変性に罹患する人の割合がますます増えていくと予想されます。そこで、今回は加齢黄斑変性が発病するとき目の中で何が起こっているのか、どうすればこの病気を予防できるのか、最新の知見を加えて簡潔にお話したいと思います。

原因はまだよく分かっていませんが、生活習慣病と深く関わることが指摘されています。とくに心筋梗塞や脳卒中といった日本人の中、高年齢者に起こりやすい内科の循環器疾患と危険因子が相関することは興味深い事実です。
加齢が原因となる病気は、血管が傷み、血液循環が悪くなる慢性炎症のメカニズムが働きます。高血圧や動脈硬化のある人の加齢黄斑では、網膜や脈絡膜の血液循環が悪くなっており、その状態で持続的に網膜に光刺激を受けてものを見ていると、やがて加齢黄斑変性が発病します。

< 網膜に対する光刺激で加齢黄斑が進行する >
網膜に対する光刺激で加齢黄斑が進行する

予防には、働き盛りの時から高脂血症や高血圧、糖尿病などを放置せず、検診で生活習慣病を指摘されたら、内科を受診し、早急に治療を始めることです。
運動、食事と栄養バランス、禁煙による適正な生活習慣の規律は非常に重要です。高脂肪、高カロリーの欧米型の現代の食事は、野菜や果物の摂取が相対的に少なく肥満や動脈硬化を招き、発病の危険因子が増大します。
また加齢に伴い、網膜の黄斑色素が減少すると発病しやすくなることから、Ocular Nutrition(眼球のための栄養摂取)によって発病を予防しようと考えられるようになりました。食事の時に加齢黄斑の機能を維持するサプリメント(栄養補助食品)を摂取して、加齢黄斑変性の発病を予防する方法です。

つい最近、加齢黄斑に対して新しい眼科用サプリメントが相次いで発売されました。ボシュロム社のOcuviteR(オキュバイト)50+や参天製薬のサンテ ルタックスR20+DHAは、黄斑の視細胞維持には必要不可欠な栄養素であるルテイン、ゼアキサンチン、オメガ3脂肪酸を含みます。
ルテインとゼアキサンチンは体内に吸収されると網膜では黄斑色素を構成し、光刺激に対するフィルターとして働き、視細胞を保護します。オメガ3脂肪酸は細胞代謝や細胞膜合成に関わる栄養素ですが、加齢による組織の慢性炎症を抑えて、生活習慣病で血液循環の悪くなった網膜、脈絡膜の環境を修復します。
サプリメントとして補給されたルテイン、ゼアキサンチンとオメガ3脂肪酸が協同して、視細胞の生存や機能維持に重要な黄斑の環境を整備することにより、加齢黄斑の進行や加齢黄斑変性の発病を抑える有効な手段と成り得ることがわかりました。これらの新しいサプリメントは、医療機関またはボシュロム社参天製薬のホームページでも購入が可能です。

加齢黄斑変性は、一旦発病すると視力を維持するための治療に高額な医療費が必要になります。今回、目の疾患と生活習慣病の関連がまた一つ明らかになり、有効な対策が示されました。
目は全身状態を映す鏡とも言われます。日頃から体の健康に関心を持ち、予防に重点を置くことによって、年をとっても健康な目を維持できる方法があるのです。50歳を過ぎたら、眼の健康のために一度お近くの眼科を受診されることをおすすめします。

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いまだ内科クリニック 今田世紀
いまだ内科クリニック
今田 世紀

第1回

慢性腎臓病(CKD)内科

最近、慢性腎臓病(CKD)という言葉がよく使われます。腎臓の機能低下が徐々に進む病気です。今、日本では8人に1人がCKDと言われており、増加傾向にあります。進行すればむくみや倦怠感などが出ますが、初期には症状はありません。
原因としては、肥満・喫煙・高血圧症・高脂血症・高尿酸血症などが挙げられます。特に高尿酸血症は痛風や結石にならなくとも、CKDを悪化させることが注目されています。
治療は早期発見+予防治療です。検診で血清クレアチニン値や糸球体濾過値、尿検査などがひっかかった方はぜひ注意して下さい。

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最新トピックス一覧
第33回:酒は百薬の長?
第32回:脳神経外科クリニックのご案内
第31回:更年期障害
第30回:糖尿病治療の進歩と今後の課題
第29回:アレルギー性結膜疾患について
第28回:糖尿病と眼合併症
第27回:小児の心雑音について
第26回:インフルエンザのワクチン、治療薬について
第25回:湿潤療法のすすめ
第24回:女性の尿漏れ(尿失禁)について
第23回:ペインクリニックとは
第22回:飲み込みの話し
第21回:痔瘻(じろう)について
第20回:慢性心不全での再入院を予防しましょう!-心臓リハビリテーションを中心に-
第19回:ノロウイルス
第18回:糖尿病にかからないようにすれば、アルツハイマー病にかかりにくくなる
第17回:向精神薬について
第16回:泌尿器科のよくある病気
第15回:アトピー性皮膚炎について
第14回:腰痛のお話
第13回:メンタルクリニックとは
第12回:40代から要注意!緑内障の真実
第11回:夏の皮膚とスキンケア
第10回:第109回日本精神神経学会学術総会からの報告
第9回:痛みの治療について
第8回:食物アレルギーについて
第7回:花粉症について
第6回:虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)に関して
第5回:胃食道逆流症(GERD)のはなし
第4回:生命の伝承といきいきとした経済のために
第3回:胃に棲みつく悪玉菌ヘリコバクターピロリ
第2回:加齢黄斑変性の疫学と予防
第1回:慢性腎臓病(CKD)